『心の奥にあるものに対峙する』3月のライオン 2巻の感想
1巻は3月のライオンに登場する世界を説明していた。
2巻は主人公・桐島零が自分自身と向き合って大切な想いややりきれない気持ちに出会っていく。どういう経緯で、どういう想いで"今"の桐島零になったのかがわかる内容になっている。
いくつか気になった言葉を書き留めていく。
ひなちゃんの好きな人・高橋君と零が初対面した場面でのやりとり。
苦手なことに挑んでいる理由を語っている。
- 桐山さんはプロになってから一年遅れでまた学校に行かれていますよね。それはどうしてですか?
- 僕は本当に将棋にしか特化していないんです。
人付き合いも苦手だし、勉強は好きだけど学校にはなじめませんでした。
人生を早く決めたことは後悔していません…。
でも多分「逃げなかった」って記憶が欲しかったんだと思います。- そうか。「逃げたり」「サボったり」した記憶って自分にしかわからないけど...
ピンチの時によく監督に「自分を信じろ」って言われるんすけど、でも自分の中にちょっとでも「逃げたり」「サボったり」した記憶があると「いや…だってオレあの時サボったし…」って思っちゃってそれができないんです。だからうまく言えなけど、そういうのを無くしたかったってことですよね。- うん。(通じた。ヤバイ。何だコレ。すっごい嬉しい。)
過去に手を抜いてしまったもの。避けて通ってきたもの。
それが後々の自分を縛ってしまう。
未来の自分を縛らないように立ち向かう。
この言葉は心に響いた。
大切な姿勢
- 「潔い」のと「投げやり」なのは似ているけど違うんだ!!
もっと自分の将棋をー自分を大切にしてくれっ
物事に向き合う姿勢。
特に自分を賭けたものに対しては真摯に向き合わないと前に進めない。
将棋の魅力
あかりさんがポツリとつぶやいた言葉。
こういう魅力があるから長い間残っているのかもしれない。
将棋って不思議ねえ。
何百年前からあって、盤と駒さえあれば今でも普通に家で楽しめて
しかも一回覚えてしまえば大人も子供も全然関係なくみんな真剣に楽しめるなんてね。
それも一生!
不思議なゲームねぇ。
本当に好きなものに対する想い
- 将棋好きですか?
- 知らん。知るもんか。
勝った時は叫び出す程嬉しくて、
負ければ内蔵を泥靴で踏みにじられるように苦しくて、
世界中に「生きる価値無し」と言われたような気持ちにさいなまれ、
なのにっ…それなのにやめられなかったこの気持ちを、
そんな言葉なんぞで言い表せれるものかっっっ!
本当に好きなら「好き」なんて言葉で言い表わせられない。表現したくない。
取り憑かれている、魅了されている。
そういうものに1つでも出逢えると人生は楽しい。
プロとしての最低限の矜持
家庭に問題を抱えている棋士との対局後の叫び。
対局に勝てたらうまくいくかもしれない可能性があっても、ちょっと形勢が不利になると勝負を投げてしまった対局者への不満。
みんなオレのせいかよ!?
じゃどーすりゃ良かったんだよっっ。ふざけんなよ。
弱いのが悪いんじゃんか。弱いんだから負けんだよっっ。
勉強しろよ。してねーのわかんだよ。
解ってるけどできねーとか言うんならやめろよ!!
来んな!!
こっちは全部賭けてんだよ。他には何も持てねーくらい将棋ばっかりだよ。
酒呑んで逃げてんはねーーよ。
弱いヤツには用はねーんだよっっ。
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